パーキンソン病の診断・治療
パーキンソン病は、脳の神経伝達物質(ドパミン)の不足によって運動機能に障害が起こる病気です。英国の医師ジェームス・パーキンソンが最初に報告したことにちなんで名付けられました。
主に中高年以降に発症し、ゆっくりと進行するため「年のせいかな?」と思ってしまう方も多いですが、早期発見・治療により進行を遅らせることが可能です。当院では、神経疾患の専門的な視点から診察と診断を行っています。
パーキンソン病の主な症状(四徴)
パーキンソン病の特徴的な運動症状は、以下の「四徴」と呼ばれる4つの症状に分類されます。
① 振戦(しんせん)
手や足、顔の一部が安静時に細かく震える症状です。1秒間に10回未満の比較的ゆっくりとした震えが見られ、動作を始めると震えが軽減することが多いのが特徴です。
② 無動(動作の遅れ)
動きが全体的に遅くなり、歩行時に歩幅が小さくなる、足がすくむように出にくい(すくみ足)などの症状が現れます。
- 動作の開始が苦手
- 話し方が小声になり歯切れが悪くなる
- 顔の表情が乏しくなる(仮面様顔貌)
③ 筋強剛(きんきょうごう)
筋肉が常にこわばっている状態で、他人が手足を動かそうとしてもスムーズに曲げ伸ばしできません。特に、歯車様筋強剛と呼ばれるガクガクとした抵抗が特徴です。
④ 姿勢反射障害
バランスを崩したときにとっさに体を支えられず、後ろ向きに転倒してしまう症状です。手をついて支えようとする反射動作も出にくくなり、棒のように倒れることが多く、骨折やけがのリスクも高まります。
症状の進行と重症度
これらの症状は人によって現れ方や組み合わせが異なり、進行のスピードにも個人差があります。日常生活に支障をきたす程度になると、国の特定疾患(指定難病)として医療費助成の対象となる場合があります。
- ヤール重症度3度以上
- 生活機能障害2度以上
パーキンソン病の原因
主な原因は、脳の黒質と呼ばれる部分でドパミンという神経伝達物質が減少することです。原因がはっきりしない「特発性」がほとんどですが、以下のような要因も関係していると考えられています。
- 加齢
- 遺伝的要因
- 環境因子(農薬、重金属など)
診断と検査
当院では、以下のような診療を行い、必要に応じて連携先での追加検査(MRI・DATスキャンなど)をご紹介します。
- 神経学的診察(歩行、筋肉の動き、振る舞いなど)
- 画像検査(頭部CTなど)で脳の異常を除外
- 症状の経過と日常生活の観察
パーキンソン病の治療
現在、パーキンソン病は根本的な治療法はありませんが、薬物療法によって症状のコントロールが可能です。
- Lドパ製剤(脳内のドパミンを補う)
- ドパミン受容体作動薬
- MAO-B阻害薬(ドパミンの分解を抑える)
症状に応じて薬剤の調整を行いながら、生活の質(QOL)を維持していきます。
リハビリテーションも重要
薬だけでなく、理学療法・作業療法・言語療法を併用することで、転倒予防や日常生活動作の維持にもつながります。
当院での対応
脳外科西馬込クリニックでは、脳神経外科専門医・脳卒中専門医による丁寧な診察と、必要に応じた精密検査、適切な投薬管理を行っています。
また、近隣の高次医療機関とも連携しており、DATスキャンやMRI、リハビリ専門施設への紹介も可能です。
気になる症状がある方へ
「最近、歩きづらい」「動きが鈍くなった」「手が震える」など、気になる症状があれば、お早めにご相談ください。
早期に診断・治療を始めることで、進行をゆるやかにし、より良い日常生活を維持することが可能です。
